文春文庫 発現

「おかしなものが見える」憔悴しきった姿で、兄が実家に戻ってきた。大学生のさつきは、心の病だと信じて兄を気遣うが、そのうち自分の眼にも咲き乱れる被岸花と少女が映りはじめる。これは本当に病なのか、それとも―昭和と平成、二つの時代をまたいで繋がる「恐怖」の正体とは?戦慄の長編小説。中島京子氏との対談収録。