きる☆まい☆しすたぁ【奇】

「時に君、鼠は好きかい?」 橙色の電球が力無さげに点滅を繰り返すだけの薄暗い地下室で、なんの前触れもなく唐突に、義眼の男は語りかける。描写を正確に言い直すのならば、それは会話にすらなっていない対話であった。眼前に伏する男の口元には、猿ぐつわを食む形できつく硬く巻き付けられており、発する声は言語に変換…