アラブ、祈りとしての文学【新装版】 | みすず書房
もしもパレスチナの難民キャンプで傷付いた子どもの傍らにいたなら、私たちはその手をとるだろう。ベツレヘムの街で自爆に赴く青年が目の前にいたら、彼の行く手を遮るだろう。だが私たちはそこにいない。小説を書き、読むという営みは理不尽な現実を直接変えることはない。小説は無能なのか。悲惨な...