世界を変えた書物 山本貴光 - 日本経済新聞
息を飲むとはこのことだ。部屋へと通じるドアをくぐったところで足が止まった。四方の壁を天井まで埋める書棚。ガラス戸のついた棚には革装丁の本や和書が並ぶ。現在ではあまりお目にかからない本の姿だ。「それで喜ぶのは、お前さんが本好きだからだろう」と言われたら返す言葉もないけれど、そうでなくてもこの光景を前…