農の原理の史的研究 藤原辰史著 資本主義化の行き着く先は - 日本経済新聞

「食と農からの解放。人類史の達成か、それとも頽落(たいらく)か」冒頭の一文が本書の問題意識を簡潔に示している。近代文明は食べること、耕すことの手間を極力省こうとしてきた。その行き着く先にはどんな社会が現れるのか。農業史研究者の著者は近代日本の農学者の思想の再検討を通じて、これからの農の方向性を探ろ…