三毛猫たま、愛すべき駅長 死から10年、和歌山県貴志駅から巻き起こした「ネコノミクス」の日々しのぶ 小嶋光信 - 日本経済新聞
くりっとした大きな目で私を見つめている。こびず、恐れず、威嚇せず、りんとしたたたずまい。ひと声、にゃーと鳴いた。私は決めた。この子を駅長にしよう、と。2006年、私は和歌山県紀の川市の貴志駅を訪れた。代表を務める両備グループが南海電鉄から赤字の貴志川線を引き継ぎ、和歌山電鉄を設立。その開業式に出席する…