春秋 - 日本経済新聞
昭和から平成にかけて、上方落語界を代表する人気者といえば桂枝雀さんを思い浮かべる。独特の口調と表情から繰り出されるギャグ。半ば立ち上がり、半ば転がりの派手なアクション。「座布団に足の指一本かかっていれば落語」が信条だったと聞くと、納得がいく。▼その枝雀さんに、理想の高座について尋ねたことがある。「使…