収容所のプルースト 山本貴光 - 日本経済新聞
途方もない本を読むと、しばらくのあいだ頭から離れなくなる。というよりも、読んだあとでそんな状態になってみて、はじめて「ああ、途方もない本だったのだ」と気がつく。最近もそういう本と遭遇して、それ以来次のような考えが頭のなかに居座っている。「もし無人島に一冊だけ本を持っていくとしたらなにを選ぶ?」とい…