橋田壽賀子(1)夫の死 - 日本経済新聞

誕生日の関係で5歳あるいは4歳下になる夫、岩崎嘉一(よしかず)の命の火が消えようとしていることを告げられたのは、昭和天皇の病状悪化で列島が自粛ムードに覆われつつあった1988(昭和63)年9月24日。「胸が痛い」というので慶応大学病院に入院して詳しい検査を受け、結果を担当医師に聞きにいったのがその日だった。「…