書評『蜘蛛』野村育世著 - 日本経済新聞

「蜘蛛(くも)は殺してはいけない」と言われて育った。本書を読むと、その理由が浮かび上がってくる。多くの神話で、蜘蛛は神であり、創造者であり、知恵と賢さを持っている。先祖の生まれ変わりという俗信もある。ところが蜘蛛に対しては嫌悪する文化も存在する。『日本書紀』では絶世の美女が蜘蛛の振舞(ふるま)いに…