【書評】冷たい国策に逞しく生きる:寺尾紗穂著『日本人が移民だったころ』
日本人の海外移住は明治元年から本格化した。本書は夢や野心を秘めて南洋の島国パラオや南米パラグアイなど新天地に渡った庶民たちの肉声を記録したルポルタージュだ。移民受け入れが喫緊の課題の日本社会への直言も盛り込まれている。