跳ねてスプリング

春が来ている、ような気がする。 季節の変わり目をいち早く察知するのは、目ではなく、肌でもなく、鼻であると私は思う。花などどこにも見当たらなくとも、道行く人がまだマフラーを巻いていようとも、玄関を開けてひとつ息を吸い込んだその瞬間、春の気配を感じるときがあるのだ。春が特別に好きなわけではない。しかし、…