砂木沼治は美しい。 彫りの深い顔立ちは勿論のこと、その身のこなしも、心の配り方も、ボール捌きも。長い脚がなめらかに動く。ボールが吸い付くような、とは月並みな表現だが、砂木沼ほど美しく走るのであれば、確かに、ボールのほうから彼に従っているようにも見える。 その砂木沼と、刹那、目が合っ...