#21 ギフト | 結婚後の春牧 - 朔の小説シリーズ - pixiv

外へ出たとたん、熱を持った空気が肌を包んで、牧凌太は顔をしかめた。 耳をつんざくようなセミの鳴き声が背中に突き刺さる。ここのところ毎日、日本全国で過去最高気温を更新していた。 ―――上海も暑いだろう。 牧は空を見上げた。群青に近い夏の空には雲ひとつない。 先月上海に遊びに行ったと...