#百合文芸2 慣性 - Magenic_Cafeの小説 - pixiv

枦山の集落の最後の住人は、柳の祖母だった。柳自身は、祖母の記憶をさほど持っていない。 だが親に連れられて、植物に呑み込まれ始めた廃村を尋ね、祖母の家の敷居を越えた時、はっきりと祖母がどんな人であったかわかった気がした。 両親からも、自分の誕生を心待ちにしていたと聞かされていたし、...