#文学フリマ #サンプル 置いてかないでと泣く子らよ・サンプル - 雲晴夏木の小説 - pixiv

その山には蛇がいた。大きな蛇だった。数えるのを忘れるくらい長生きの蛇だった。 蛇はいつも洞穴でうずくまっていた。とぐろを巻いて、山中で動物たちが生きている気配を感じながらまどろんでいた。浅い眠りの中、蛇は時折夢を見た。夢の中の蛇は神様で、住まう山の麓にある小さな神社に祀られていた。...