【小説感想】他人に自分の悪を引き受けさせ、狂わせる人間の恐ろしさ 奥泉光「滝」

罠と悪意にからめとられ、極限状態に追いつめられていく少年たちの心理を緻密に描き出した傑作と名高い「滝」(裏表紙紹介) 滝 作者:奥泉 光 メディア: 単行本 あらすじ とある宗教団の若者組の少年五人は修行の一環として、山岳の七つの神社を二泊三日かけて巡る清浄行に出た。 主人公の裕矢は、教団の幹部の息子でカリ…