『寝ぼけ署長』 山本周五郎 | 新潮社

五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。転任が決るや、別れを悲しんで留任を求める市民が押し寄せ大騒ぎ。罪を憎んで人を憎まず、“寝ぼけ署長”こと五道三省が「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難