グレン・グールド〜“たった一つの完成品”としての録音物 〜【Vol.95】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 テイクを超えた「イ短調のフーガ」 1964年のアルバム『インヴェンションとシンフォニア』では、グレン・グールドとプロデューサーのポール・マイヤーズはSTEINWAY CD318の“しゃっくり”と格闘せねばならず、その修正のために膨大な手作業によるテープ編集を行った。しかし、このテープ編集はあくまで楽器の発音…