書くことは、記憶をつなぐこと。乗代雄介『旅する練習』感想

乗代雄介さんの『旅する練習』を読んだ。とてもよかった。 小説家の叔父と、女子サッカーの名門中学に進学が決まった姪・亜美の物語。コロナ禍で小学校が休みになった春、ふたりは我孫子から鹿島まで数日間の徒歩旅行に出かける。叔父は訪れる先の風景を描写しながら、亜美はリフティングやドリブルをしつつ宿題の日記を書…