日本近代化を支えた、長崎発の洋食店。朝井まかて『朝星夜星』感想

幕末から維新、明治と激動の時代の外交を料理で支えた男がいた。長崎生まれの料理人・草野丈吉で、店の名は「自由亭」。貧しい農家に生まれた丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、洗濯係、コック見習いになる。21歳でオランダ総領事の専属料理人になり、3年後にゆきと結婚。夫婦で日本初の西洋料理店を開く。店に…