かなりや・西條八十 (一)

私には二人の姉がいる。 幼き頃、姉達がこの「かなりや」の歌を歌っていたとき、なんと残酷な歌だろうと思った。 歌を忘れたくらいで、何故、山に棄てられたり、藪に埋められたり、鞭で打たれたりされるのだろうか。 実行はしないにしても、そういう仕打ちを思い浮かべること自体とても恐ろしいことだと、幼い私は震えなが…