勇者の影で生まれた英雄 #7 もうひとつの顔

いつもの様に暗いうちに起きて、裏庭で鍛錬を始めていたグレン。 ふと気配を感じて剣を振る手を止める。振り向いた先には、ローズが壁に寄り掛かる様にして立っていた。 「早起きですね?」 「君が物音を立てるからよ。お蔭で起きてしまったわ」 「フローラは全く気が付かないのにですか?」 部屋の中にまで聞こえる様な音…