月の文庫ブログ
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四季は大地を駆け巡る #31 心の傷
陽もすっかり落ち、いつもであれば静けさに覆われているはずの野営の地も、今日に限っては喧噪があたりに響いている。そこかしこに篝火がたかれ、その周りに集まった兵たちが祝宴を楽しんでいるのだ。 自分の手柄を声高々に自慢している者、仲間と共に戦いを無事に終えたことを喜んでいる者、遠く離れた家族に思いをはせて…