四季は大地を駆け巡る #40 崩壊の兆し

わずかな灯りを頼りに皆が寝ている部屋に向かう。すれ違う人は誰もいない。この館に残っている人は少ない。更に今は誰もが寝静まっている時間。だからこそ、こうして廊下を歩いているのだ。 静寂の中を、大きな音をたてないようにゆっくりと廊下を歩く。やがて、先のほうで廊下に立っている兵士の姿が見えた。見張りであろ…