黒き狼たちの戦記 第33話 愚策であることも分からない愚か者たち

三団対抗戦当日。会場となる王国騎士団の屋外鍛錬場の倉庫でボリスは、大きな体を丸めて、何やら作業をしている。流れる幾筋もの大粒の汗。それはすでにボリスの服を、びっしょりと濡らしていた。 拳を握り、手に持った剣に打ち付ける。その度に金属音が響き、その音に怯えたボリスは、また大汗をかく。それの繰り返しだ。…