月の文庫ブログ
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黒き狼たちの戦記 第41話 視えないもの。視たくないもの
自分が特別であることに気が付いたのはいつのことだったか。記憶を探っても見つからない。特別であることが苦痛になった日のことは覚えている。何年何月なんて記憶はないが、その時の感情は今も胸にはっきりと刻まれている。 父親は商人だった。大商家といえるほどの規模ではないが、家族が贅沢出来るくらいの稼ぎはあった…