黒き狼たちの戦記 第112話 運命は巡る

足下から皮膚を覆いつくすほどのムカデが這い上がってくる感覚。その不快さに、全身に鳥肌が立つ。振り払おうと必死に両足をバタつかせても、その感覚は消えない。消えるはずがない。実際にムカデがいるわけではないのだから。 やがて、そのおぞましい感覚は全身に広がっていく。耳に、鼻に、口の中にと穴という穴からムカ…