竜血の玉座 第63話 流血の玉座

呆気なく、これほど呆気なく、ナーゲリング王国が滅びることになるとは、ユーリウス王は思っていなかった。砂上の楼閣という言葉がぴったりな脆い、わずかな衝撃で崩れてしまうような国だった。そんな王国の王に、なりたくもなかったのに、ならされた自分は何なのか。こんな想いがユーリウス王の心に広がっている。 生まれ…