「洞窟オジさん」と呼ばれた男。山と人との間を行き来した43年間の壮絶サバイバル生活

少年は、1週間ほとんど寝ずに歩いた。 山に向かう線路に沿って、ひたすら歩いた。 空腹になると、山柿を取って食べた。 疲れ果てたら、線路のわきで何かにもたれて眠った。 学生服に通学カバンを下げ、大きなスコップを持って、歩き続けた。 家には絶対に戻らない。 そう決めていた。 親にも誰にも見つからないほど、遠い…