『冤罪学』(著:西愛礼) | Web日本評論

序章 冤罪を学び、冤罪に学ぶ 「被告人は無罪。」 右から裁判長の声が聞こえた。 証言台に座る被告人はまだ不安そうに目をつぶり、うつむいている。 日本語が分からず、通訳を待っているからだ。 短いスペイン語を聞いた途端、被告人は傍聴席に駆け出し、傍聴に来ていた家族と涙を流して抱き合った。 弁護人は安堵した顔…