ことばを食する
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卒塔婆小町、老いて無残 〜「近代能楽集」三島由紀夫
千年も昔の夕暮れどき、闇が迫る京の都の外れ、百歳(ももとせ)とも見える乞食の老婆が、朽ちかけた卒塔婆(そとうば・そとば)にぐったり腰掛けています。顔は皺に覆われ、ボロをまとった姿からは垢と脂の酸い臭いが漂ってきます。 たまたま通りかかった高野山の僧が、老婆を見とがめました。朽ちかけているとはいえ、卒…