二つの悲しみの違い 〜「水滸伝」北方謙三

「小説すばる」1999年10月号で連載スタート。 頭ひとつ、出ていた。 という、短い1行が冒頭にあり、すぐ改行。「水滸伝」(北方謙三、集英社)の始まりでした。連載は2005年7月号まで続き、19巻、原稿用紙9500枚超の大作になりました。 味も素っ気もない1行ですが、「頭ひとつ出ているのは、どんなやつなのか」「見ている…