朝がきて、働いて、コップ酒で1日が終わる 〜「苦役列車」西村賢太

草食ではなくて肉食。若い男の体臭が、むんむん臭ってくる小説です。ただしライオンのような猛々しさ、かっこよさは微塵もありません。 汗、酒、煙草、そして浅ましさや愚かさ。冷酷になれないから、犯罪者にもなれない平凡さ。しょせん俺とうい人間はこうなのだー。と、開き直るように言葉を叩きつけ、そこから一人の人間…