【ニホンゴガ・ワカリマセン】私が日本にやって来た理由 ~野良猫のアイデンティティ(前編)~

文:高栖匡躬 バックパックを背負ってホテルを出ると、正面から差す朝日が眩しかった。目を細めながら、深く息を吸い込むわたし。日本の空気は、生まれ故郷のハワイとは違う。すこし湿っていて、すこしだけ若葉の匂いが混じっているような感じ――そして――、ちょっと肌寒い。