都合のいいあなた

「いい加減まともな男を見つけろ」 390円のビール片手に諭されたあの日、ハタチのわたしが「まともな男なんかどこにもいない」とわめいたら、ちょっと間をおいて佐藤が言った。「……俺は?」。唖然。 佐藤は大学の同期だけど、年齢は2つ上だった。いつでも甘やかすでも突き放すでもない対応をしてくれるから、何かあるとみ…