河瀨直美『朱花の月』〜朱の色に焦がれ、月の記憶へ還る

『朱花の月』(はねづのつき、Hanezu)は、2011年公開の日本映画。監督・撮影・編集は河瀨直美。古代史の記憶が深く眠る飛鳥地方を舞台に、土地に刻まれた時間と、現代を生きる人間の愛の揺らぎを描く作品である。 タイトルの「朱花(はねづ)」は、紅花で染めた黄みのある淡紅色を指す。鮮やかでありながら、移ろいやすい…