さだまさし『瑠璃光』〜永遠の前で、恋は十字路に立ちすくむ

奈良を歌った曲は数あれど、幽玄で、張りつめ、薬師寺の夜を“恋”と“時”と“運命”の交差点として結晶させた歌は他にない。奈良の夜は、恋をここまで深くする。 さだまさしは、古寺を美しく描くだけでなく、場所に沈殿した千年の時間、祈りの残響、そして人が言葉にしきれない心の揺らぎまで掘り当てた。 『瑠璃光』で歌われ…