お月見。

小林秀雄の『考えるヒント』(文春文庫)に「お月見」という文章があって、 「知人からこんな話を聞いた」 そう断ったうえで、以下のようなことを述べている。 京都の嵯峨。 夕刻から野外で宴をはじめた。 それがたまたま十五夜にあたったので、野外での酒盛りはやがてお月見となる趣向であった。 集まったのは若い社員ばか…