ウイリアム・ギブソン連続体

突然、目の前の画面が消えた。俺の二時間の作業がディラックの海に還った。悪態をつくのと同時に端末が再起動(リブート)を知らせる暢気な音を上げた。復帰までにカフェインを補給しようと、俺は台所へ立った。 瞬停か。築二十年の集合住宅の電気配線で綱渡りをするもんじゃない。自宅より職場で作業した方がよかったか。…