【作品】「街の記憶」

※この作品は本名にて一般配布しています。 「街の記憶」 豊田恵子 見ず知らずの方とつながりができた私は、初めて家を訪れた。長年一人暮らしを続ける八〇歳の彼女は私を見てもよそよそしく知らんぷり。 それまで私は、寝たきりの父を抱えながら恩返しする方法を模索していた。認知症だった母の介護認定から入院、看取りま…