ニセクロスジギンポの実態(2)

先述した『擬態』に書かれていた説に疑問を持った日本人魚類学者がいた。当時中京大学生物学担当専任講師の桑村哲生氏だ。氏は1982年に瀬底島の琉球大学瀬底実験所でニセクロスジギンポの行動を観察した。他の魚のヒレをかじることもあるが、稀だとわかった。よく食べたのはイバラカンザシやケヤリなどで、他には海底に産…