あなたは何者ですか?あなたは誰ですか?

十数年前に読んだ本に出てきたフレーズに私は釘付けになった。 そしてその物語の先を早く読みたくてソワソワとした。 文字を追う目が遅くてやきもきとした。 「あなたは誰ですか?」 閉まっているドアの向こうからそう問われるそのお話の主人公は、ある時は自分の名前を答え、ある時は職業を答えた。 そしてある時はやけに…