サマル・ヤズベク『無の国の門 引き裂かれた祖国シリアへの旅』(柳谷あゆみ訳、白水社、2020)

アサド政権の支配の外で、政府軍と複数の反政府武装組織が戦闘を繰り返し、激しい砲撃にさらされる村々。2012年から2013年にかけて、三度にわたって語り手は祖国シリアに潜入し、反体制組織の支配下にある地域を訪問し、文化的で民主的な機関を設立するために人々の話を聞く。宗教を基盤とする複数の共同体から構成される…